海上からの脱出劇

~トラブルだらけの船旅~

ある日、グレディ屋敷に一通の手紙が届きました。

その差出人不明の手紙には六枚の豪華客船の船旅チケットと「楽しんでおいで。」と書かれた手紙が入ってました。最初は皆怪しみましたが、折角だからと船旅を楽しむことにしました。これが一週間前のお話。

「今となっては誰が手紙を送ってきたのかなんて関係ないね。」

誰かに聞かせることなく大きなベットに腰かけて呟いたのはダレさん。

「だーかーらー、おじさんだって!ダービッシュおじさんっ!」

振り返ってダレにそう返したのはグラさん。イスに腰かけ、持参したトランプ片手に持っています。

「…ダービッシュなら名前書くと思うけど…。」

テーブルを挟んだ向かい側に座っているのはカネルさん。カネルも片手にトランプを持ってグラから一枚カードを抜き取り、手元のカードを重ねてテーブルに出来たカードの山に捨てました。

「カネルの勝ちだな。」

雑誌を見ながらそう言ったのはスティさん。ベットに寝そべりながらページをめくって読んでいるのは「特集:転覆しない船の構造」となんともマニアックな雑誌。
グラが慌てて振り返りもう一回!とカネルに言ってます。

「こら!何回カネルに勝負持ちかけてんのよっ!ひたすらババ抜きなんてカネルがすっかりウンザリ顔じゃない!」

そう注意したのは荷物を広げて確認しているのはデビさん。荷物はベット上では飽きたらずテレビ前まで広がっています。

「ねー!さっきからテレビが何言ってるか聞こえないんだけどー!」

テレビ前で騒いでるのはベクさん。ダレがのぞきこむと消音モードに切り替わっていました。やれやれとリモコンで音量をあげると徐々にアナウンサーの声が流れて来ました。

『…今日の天気です。低気圧が近づくため、夜より明日の明け方まで海上は荒れ模様になることでしょう。では次のコーナー…』


その後は各々自由に時間を使い、快適な船旅を楽しみました。夕食時には食堂への通路に自然と集まって来ました。

「うわ、すっげ!めっちゃ揺れとるw」

グラだけ三人から離れてくるりと一回転しています。

「グラー、はしゃいでいるとスッ転ぶわよー。」

「そう言うデビも気をつけてよ、さっきからずっと船が揺れてるから。」

そう言ってダレは心配げに窓を覗くと波が高々と揺れています。

「見事に天気予報当たっちゃったわね。」

ダレが横を見ると精一杯背を伸ばして外を見ようとしているベクがいました。持ち上げようか、と声をかけようとしたら船が一際大きく揺れました!慌てて近くの手すりにつかまります。

「わっ!…あっぶな~い。ダレー、大丈夫ー!?」

ひしと手すりにつかまったベクのはた目には向かい側の壁にダレが腰をさすりながら起き上がりました。

「平気だけど、さ…揺れた瞬間に僕を突き飛ばすのは勘弁してよ…。」

ベクはさらりと「あ、ごめん。」言った後、船内放送がかかりました。さっきの衝撃のせいかノイズがかかり、音声がよく聞こえません。まわりの乗客も不安げに首を傾げています。そのうちの一人が大声で叫びました。

「おい!火事だ!!この放送、甲板に避難しろって言ってる!」

皆大慌てで立ち上がると上へと階段目指して走りました!グラとベクは流れに逆らって走りだしました。追いかけながらダレとデビが二人に向かって叫びます。

「どこ行くのッ!出口が違うわ!!」

「そうだよ!火がこっちに来るから避難しないと!」

走りながらグラが叫び返しました。

「もうこっちに来てんだよ!ここで火を止めなきゃ全員階段上がる前に焼け死んじまう!!!」

はっとしてデビが振り返ると下階から甲板目指してきた乗客と鉢合わせになって中々人の流れが上がって行きません。押し合って叫び声や悲鳴も聞こえてきます。

「待って、それなら僕も手伝うよ!デビは避難してッ!」

「私だって力になれるわよ!」

四人が立ち止まった先にはごうごうと燃え盛る火の手が待ち構えていました。グラが両手を広げて構えて言いました。

「このぐらいの火災ぐらい止めてやるよ!!俺の魔術ナメんなよ!!!」



「今となっては誰が手紙を送ってきたのなんて関係ないね。」

膝を抱えて座って誰かに聞かせることなく呟いたのはダレ。心なしか表情が死んでます。今は海上、救命ボートの上です。

「だーかーらー、あれぐらいの魔術で船底に風穴空くなんて思わなかったんだって!」

大きく両手をバタバタ広げて弁明しているグラ。自己弁論もむなしく皆グラに文句を言っています。

「何よー!!あんたのせいでしょ!!」

きいきい甲高い声で叫んでいるのはベク。狭い救命ボートでグラを攻め立てています。

「火は鎮火したじゃあん...?」

「うっさい!結局船が傾いてきて急いであたし達が甲板に上がったらカネルとスティが救命ボート出しておいてくれたお陰でこうして助かってんのよ!」

「そうそう、俺に感謝しとけよ?大変だったんだぜ?」

そう語っているのはスティ。親指を自分に向けて鼻高々で言ってます。

「カネルが「他の乗客から救命ボート奪うな」とかナントカ言うから埃(ほこり)被ってたコイツ引っ張りだしたんだぞ。」

「…スティがすでにボートに座っている乗客引きずり出そうとするからだろ…。」

はぁ、とため息混じりで言ったのはカネル。いろんな意味で疲れきっている様です。

「ねぇ皆、悪い知らせよ。」

悲しげにデビがそう続けました。

「この救命ボート、何にも備品が積まれていないの。救命胴衣はおろか、食料までないの。…これ、救命ボートとは名ばかりね。」

スティが苦々しく背後を振り返り言いました。

「もう取りに行くのも他のボートから奪うのも無理だな。」

背後には転覆して沈んでゆく元豪華客船のみで辺りに他のボートは見当たりません。恐らくスティ達で最後だったのでしょう。

「うわーい!すばらしいっ!これぞ絶体絶命って言うやつか!」

グラがわざとらしく明るい声で皮肉を言うとベクが横でにらみつけました。そんなことお構い無しでボートに寄りかかりました。

 

(助けてやろうか?)

 

ぱっと目を開けると眼前にはグラがもう一人グラを覗き込んでいました。顔は瓜二つですが白のローブで髪飾りをつけています。引き金のカーガッシュです。
一瞬驚きましたが平静を装いながらグラはカーガッシュに話しかけました。

(どうやって。無理だろ。)

ククッと笑ってカーガッシュが答えます。

(俺を誰だと思っている。何でもいい、試しに何か願ってみろ。)

「グラ聞いてたか?」

「ん、あっ、え?な、何が!?」

グラ聞いてなかったって、とカネルが言うとベクが不満げに教えてくれました。

「だからー、あんたが火を消している間にまた船内放送が流れてたのよ!「本船が発信した遭難信号を海上保安部がキャッチしました。我々の正確な位置を確認の上、海上保安庁の巡視船が救助のため出港したとともに、本船より南東約150海里 の地点にいた総トン数約3000トンの貨物船が救助に来るので皆様ご安心下さい」ってね!」

「相変わらず凄い記憶力だね、僕なんて一緒にいたけど何言ってたのか全然覚えてなかったよ。」

感心しているダレに気をよくしたベクが今後についてまた話し出しました。

「とにかく!一番必要なのは食料よ!そして飲料水!じゃなきゃこのまま全員船の上で餓死よ!」

そう言った途端、ベクの顔すれすれで段ボールが大きな音を立てて降って来ました。皆少し退きます。静まりかえった後、開口したのはダレでした。

「な、なんで段ボールが空から…??」

「どこぞの国だとカエルや魚が空から降ってくる事があるらしい。一説だと大規模なハリケーンで巻き上げられた物が別の場所に落下した事が原因だと。…段ボールが降ってくるのもおかしくはないだろ。」

「い、いやスティ。それとは違う気が…。」

恐る恐るデビが段ボールを開けてみると飲料水と非常食でした。

「…どうやら非常用に詰め合わせられたようね。この人数だと…三日分はありそうね。…でも一体誰が?」

「カーガッシュ。…後ろで今大爆笑してる。」

あきれ顔でグラが後ろを指さしました。しかし、グラ以外には見えません。

(にひひっ…まぁこれで分かっただろう。俺に助ける気があることを。
しかしだなぁ、残念なことに実は道具を5つまでしか出せなかったのだ。非常食と飲料水、これで2つ道具を使ってしまった。あと3つだけしか用意できん。)

(んなことアリかよ!先に言えって!)




(用意できるのは次に述べる以下の12品とする。

1.石油缶4缶(18リットル重油入り)、2.ロープ3本(1インチ径×20m)、3.手鏡 、4.リボルバー・ニューナンブM60(装弾数5発)、5.オール4本、6.布製バケツ(30cm径)、7.コンパス、8.海図(当海域)、9. 防水型懐中電灯(スペア電池付)、10.水中発炎筒(一度きり使い捨てタイプ)11,防水ラジオ(スペア電池付)、12.防水シート(オレンジ色))

選べるのは3品だけ。

さあ、一体必要なのは何かな?



 

ここからが茶うさぎからの問題です。(・_・)b

あなたはこれからスティとなって本当に必要な物を3品選び、無事陸地にたどり着いて下さい。

情報として今は救命ボートに乗っている全員は魔力、及び体力は底をついてます。つまりいつものような魔術や人離れした芸当は出来ません。武器や道具は皆所持しておりません。そしてグラとカーガッシュの会話時の救命ボート船位置は近くの無人島より西に約60マイルの地点です。当時の天候は曇りの風力7、 風向きは西で波高5メートル位ですが明朝には回復する見込みです。この情報は現在救命ボートに乗っている全員が周知しているとしましょう。カーガッシュさんったら親切ね♪

さてこの問題の答えが解けた方はその選んだ3品を先の一覧の番号順(番号が若い順)に並べて下さい。そして次のアイテム表に対応した英字たちを並べてください。すると英字列が出てきます。それがパスワードです。( ̄▽ ̄)b

**パスワード対応表**

1.石油缶4缶(18リットル重油入り)・・・no
2.ロープ3本(1インチ径×20m)・・・fa
3.手鏡 ・・・bac
4.リボルバー・ニューナンブM60(装弾数5発)・・・flag
5.オール4本・・・ran
6.布製バケツ(30cm径)・・・te
7.コンパス・・・cut
8.海図(当海域)・・・wit
9. 防水型懐中電灯(スペア電池付)・・・ce
10.水中発炎筒(一度きり使い捨てタイプ)・・・ear
11,防水ラジオ(スペア電池付)・・・ani
12.防水シート(オレンジ色)・・・ing

まぁ例とするなら6.A・・・ddd、1.B・・・eee、8.C・・・fffのアイテムを選んだとするならば数字の並びが若い順なので1→6→8の順、つまりB→A→Cの順番になって、つなぎ合わせた「eeedddfff」がパスワードと言うわけですね!d(⌒ー⌒)!

そのパスワードを持って次のパスワード入力画面へと進んでください。あ、上に書かれたメッセージは検索で偶然来ちゃった人(まぁまずありえないけど。)に宛てたある方のセリフです。気にしなくてOKです。上記の問題にはまったく関係はありません。それではどうぞ先にお進みくださいませ。↓


そうそう、問題が解けた・解けないに関わらずこの問題は他言無用でお願いします。なんでかってーと偶然見つけた人のみがこの問題に挑めると言うことにしたいので。(。-∀-)

素材拝借元→

 




 

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